APERUNZ NOTE

aperunz.labの備忘録。ビデオ撮影のこと、漫画のこと。

「13月のゆうれい/高野雀」にみる呪い、同調圧力、アイデンティティ

 内容紹介

「さよならガールフレンド」の高野雀が挑む
女と男と女装男子の三角関係!

ネリが3 年ぶりに再会した、双子のキリ。
彼はネリにそっくりな顔で、ネリがおよそ着ないような
「可愛い」服に身を包んでいた。
「キリはいつ女の子になっちゃったの?」
弟の女装姿に動揺したまま、ネリは
偶然にもキリの同居人・周防(すおう)と知り合う。
男子校時代の同級生だという周防が抱く、
キリへの“ともだち以上”の感情に気づいてしまい――?

 ありがとうございます。とてもとてもいい作品に出会えました。

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style="padding: 0; margin: 0;">13月のゆうれい(1) (FEEL COMICS swing)

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「13月のゆうれい/高野雀(祥伝社)」

2巻完結で30分ないぐらいで読み切れますが濃厚な漫画体験でした。

三角関係が幹におかれながら、枝葉になる個々のエピソードの共通性が一つのテーマを投げかけてくる。

同調圧力社会の中の『わたし』」である。

恋恥最終話で語られた「呪い」という言葉で、自分の放った社会に対する不満が自分に返ってくる危険性について、大きく認知されたかと思います。

 

社会に多々ある固定観念という呪い、対抗する自分と適応する自分、無意識に社会側に参加する自分、全てを見つめなおして問い直して向かう先はハッピーエンド足りえるのか。

 

キャラクタが抱える固有の悩みにきちんとスポットが当てられていて、カタルシスまで昇華されないまでも、俯瞰で見てとてもよくできた作品になっています。よければ自身に照らし合わせて、各キャラクタがだした回答が自分にとってどうゆう意味になるのかを再考していただければ、最高です。

いい漫画を読んだ。本当にありがとう。