APERUNZ NOTE

aperunz.labの備忘録。ビデオ撮影のこと、漫画のこと。

漫画感想

「13月のゆうれい/高野雀」にみる呪い、同調圧力、アイデンティティ

内容紹介 「さよならガールフレンド」の高野雀が挑む女と男と女装男子の三角関係!ネリが3 年ぶりに再会した、双子のキリ。彼はネリにそっくりな顔で、ネリがおよそ着ないような「可愛い」服に身を包んでいた。「キリはいつ女の子になっちゃったの?」弟の女装…

【漫画感想】亜人ちゃんは語りたい/区別と差別、平等に至る本当の道筋

まずこの作品「今週のテラフォーマーズお休みです」のような「亜人」のスピンアウトだと思っていました。まったく関係ないですんね… 亜人ちゃんは語りたい(1) (ヤングマガジンコミックス) いわば伝承として語られるような存在、「亜人」が人間と共存し学…

【漫画感想】ミザントロープな彼女/異端者の極北、異常な日常の心地よさ

数年前にネットで少しだけ話題になった「落下傘ナース」をご存じでじょうか。 献身的な愛情を至上主義とする主人公の女の子が、奉仕のために彼氏を残虐非道な目にあわすジェットコースター式スプラッタホラーコメディーというもう分類からしてヤバい漫画でし…

【漫画感想】めしにしましょう/食に対する追求、人生をやっていく生活

小林銅蟲先生の商業誌デビュー作「めしにしましょう」。漫画家のアシスタントが仕事場氏でメシを作って食べる様子をフィクションの名を借りて紹介する漫画です。 僕は電子書籍で買っちゃいました。2巻は絶対書店で買います→買いました。 めしにしましょう(1…

【漫画感想】「百万畳ラビリンス」は良い成長物語、人は自己実現で幸せを得る

コミックLO(※女の子は調べちゃダメ)の表紙でそのノスタルジックな印象と叙情的な絵で固定的なファンの多いイラストレーター、たかみち氏のストーリー漫画。2巻完結と読みやすくまとまっており伝えたい箇所はすべて網羅されている…と僕は思っています。 スト…

【漫画感想】「重版出来!」にみる仕事が好きという熱量

このたび実写ドラマ化も決定した出版業界をユーモラスに描いた漫画「重版出来!(じゅうはんしゅったい)」。最初に謝っておきますがドラマは見てないですm(_ _)m 重版出来!(1) (ビッグコミックス) 2014年「仕事漫画ランキング」1位を獲得し話題になって…

【漫画感想】「少年Y」における命の選択・生きる意味とは?

sokuyomi.jp「 画とうじたつや、原作ハジメ「少年Y」読みました。 主人公ユズルは転校当初にクラスメイト全員が死ぬという不思議な事件に巻き込まれる。戸惑う譲の前に現れたワピコという謎の少女が、ユズルに神の権限のもとに命の選択を迫る。「チョチョイ…

【漫画感想】「BLUE GIANT」にみる音楽漫画の感情表現、あと好きを追いかける美しさ

「BLUE GIANT」1~7巻読みました。作者は前作「岳」がヒットを飛ばし実写映画化もはたした石塚真一。 The Sounds of BLUE GIANT 新品価格¥1,732から(2016/1/15 21:06時点) 珍しいジャンルでジャズを題材にした漫画です。主人公は高校時代にライブハウスで耳…

【漫画感想】「四月八日のまえがきに」にみる青春SFの爽やかさとゆうきまさみ的間の妙

松井信介作「四月八日のまえがきに」読みました。単巻完結です。 四月八日のまえがきに (ビッグコミックス) 新品価格¥596から(2016/1/15 21:04時点) ストーリーはど真ん中青春SF。遅刻したヒロインが運命の転校生と交差点でぶつかる……寸前でぶつからなかっ…

【漫画感想】「bread&butter」にみる理想の生活と現実の自分とのギャップ

少女マンガ、「bread&butter」3巻まで読みました。 柚季はある事件をきっかけに教師を辞め、婚活をはじめたがうまくいかない。そんな矢先、文具店の片隅でパンを焼く、風変わりな洋一に出会う。出会って二度目の日、柚季は「この人と美味しいご飯が食べたい…

【漫画感想】「夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない」にみる愛情表現の正解とは

西崎夏次系作「夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない」読みました。 1話完結オムニバス形式の短編集です。 詩的で繊細な絵柄でありながら、陰影がはっきりしており、アート系無意味漫画とは一線を画しております。 意味/無意味のどちらなのか曖昧な表…

【漫画感想】「ちーちゃんはちょっと足りない」にみる大人と子供の境界、もしくは人間の弱さ

阿部共実著「ちーちゃんはちょっと足りない」読みました。 物語は中学生の女の子ナツが、同級生である千恵を一緒に登校するために迎えに行くところから始まります。 千恵は言動が小学生低学年のようでかろうじて掛け算ができるぐらい。ナツは同じ団地のよし…

【漫画感想】「ねじの人々」にみる漫画的哲学の表現

若木民喜著「ねじの人々」1巻読了。 3度のアニメ化も果たした「神のみぞ知るセカイ」の作者、若木民喜先生の哲学漫画。 主人公、根地は高校生。自身の存在に対してもやもやした疑問を感じた時から頭に「ねじ」が生えてくる。その日をさかいに彼の周りにね…