【漫画感想】「bread&butter」にみる理想の生活と現実の自分とのギャップ
少女マンガ、「bread&butter」3巻まで読みました。
柚季はある事件をきっかけに教師を辞め、婚活をはじめたがうまくいかない。そんな矢先、文具店の片隅でパンを焼く、風変わりな洋一に出会う。
出会って二度目の日、柚季は「この人と美味しいご飯が食べたいなあ」と衝撃的に逆プロポーズ、OKをもらってしまう。
上記あらすじから感じるものすごい少女漫画感がわかるでしょうか(失礼)。
しかしこの漫画はいわゆる「夢の王子様、夢の結婚生活」では構成されていません。洋一、柚季ともに理想と現実とのギャップに挫折した過去を持ち、また登場するキャラも皆それぞれ同様の悩みを持っています。
掲載紙のターゲット層ゆえでしょうか、作者哲学にはすごい地に足をつけた安定感があります。理想を求めること、現実に従って生きること、そのどちらも否定せずに描かれています。
そのギャップの橋渡しをするのが、この漫画の題材にもなっている「パン」なのです。理想を追って苦しんでいても、現実に生きて焦燥感に駆られていても食べることは絶対です。だからこそ美味しいパンを食べることで、生きていくのだということではないでしょうか。
家族とは食卓を同じにすること。だから一緒においしいご飯が食べたい人と結婚する。
このあたりのテーマが巻数を経てもぶれないこの漫画、おすすめです。
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