APERUNZ NOTE

aperunz.labの備忘録。ビデオ撮影のこと、漫画のこと。

沖縄パワームーバ、bboyタツノリのロトスコープ動画

去年暮れには完成していたのですが、習作故にアップを迷っていた動画をYoutubeで公開しました。Bboyタツノリ君のロトスコープ動画です。

ロトスコープとは

ロトスコープ - Wikipedia

実写映像をコマ毎に分割し、その上から手書きでトレースを行い、アニメにしたものをロトスコープといいます。実際の人間の動き通りなので非常にリアルな動作が実現できます。

ディズニー2D映画はこの手法が多用されており、初の長編アニメーション映画白雪姫などが有名ですね。

youtu.be

脱線しますがこの映画公開がなんと1937年!!今から80年前の映画なんですね!その当時でこのクオリティが出せるのは流石ディズニーといったところでしょうか。

Bboyタツノリのパワームーブアニメ

閑話休題。まずは動画をご覧ください。

youtu.beムーブだけでいうとほんの10秒程度なんですが書いた枚数は240枚

一枚5分でも20時間かかる計算になります。始めたときはこんな予定ではなかったのに……。着色や線の太さの調整は妥協してしまいました。次回の課題に。

ここでもfpsの話

最初まったくアニメの事調べずに書き上げたんですが、fps24で書き出すと想像以上にヌルヌルでした。今回は再生速度80%にして調整してます。

 

■アニメ

 アニメは12fpsでも十分です。私達が普段目にしているアニメ作品の多くは12fpsや、場合によっては8fpsで制作されているシーンもあります。

 一般的にアニメは実写映像のようなリアリティを追及するものではない為、ある程度低めでも違和感がないのです。特に日本のアニメはいかに枚数を減らしても安っぽく見せないかという点で優れた技術を生みだしてきました。枚数が少ないからこそ出せる味があるのです。

フレームレートって何? | 動画制作はデジクレア

 

今回1枚1枚書いてみて例えば30分アニメ(実質20分ぐらい)を全て24fpsで書くのは非現実であると思いましたね。

違和感のない表現のためにはただ精いっぱいやるだけじゃなくて、知恵を振り絞ることが必要。学びました。

 

【漫画感想】ミザントロープな彼女/異端者の極北、異常な日常の心地よさ

数年前にネットで少しだけ話題になった「落下傘ナース」をご存じでじょうか。

 

献身的な愛情を至上主義とする主人公の女の子が、奉仕のために彼氏を残虐非道な目にあわすジェットコースター式スプラッタホラーコメディーというもう分類からしてヤバい漫画でした。2巻完結なのですが後半のブレーキぶっ壊れた感は寒気のするほど異常で、異常であるがゆえに面白い、という人に紹介しづらい漫画でした。

 

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そんな作者、厘のミキの新作、ミザントロープな彼女が面白いです。2巻発売中、まだ未完結なのですが…。

 

倒錯した愛情、歪んだ日常

 

kotobank.jp

主人公はもちろんの事、主要キャラ全てが歪んだ世界観の持ち主。ゆえに本人達の日常はスラップスティックであり、「私達が普段持っている偏見や世界とのずれを最大限まで極端にしたらこうも滑稽なのか…」という気づきもあります。

かといって破綻した世界ではなく、きちんと文法、構造にのっとって漫画は展開していきます。主人公を迎えに来るキャラ達が玄関前で何をしているのかはテンドンながら、ページめくる前の予想をあっさり裏切られる感じ。好きです。

 

設定の異常の裏に隠された日常会話のセンス

 

本作ではキャラ同士の会話に一番笑いました。大喜利センスに近い「ここでこのワードを持ってくるか‼」みたいな驚きもあります。一話目からぶっとんでるので興味あれば立ち読みを。良かったら購入を。

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いきすぎた愛情の結末は恋愛のハッピーエンドをもたらすか?

 

異常さにスポットをあてて紹介してきましたが、この漫画ジャンルとしては「ラブコメ」となります。何故キャラ達は恋愛、愛情に対して偏執的になったのか、この作品ではその原因を匂わせるエピソードもあり、完全な非日常の物語ではなく、割りと現実世界に近い話としてみること可能です。このエピソードもまぁ現実でもありそうな話だったりするんですよね…。

誇張された各人の歪みはもしかしたら読者の心情の過剰投影としてみることも可能です。そんな歪みきった恋愛観、人生観をもった彼女らの恋愛模様はハッピーエンドに終わるのか?これからの展開が楽しみです。

 

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CROSSOVER第2戦ダイジェスト動画公開!

色々てんやわんやがありまして、思うように動けない毎日ですけど、なんとかやっていっている状態です。編集はキツいが楽しい!

 

先日3月3日は、沖縄市ミュージックタウン音市場で開催されている新感覚ストリートバスケットボールリーグ「CROSSOVER」の撮影以来でした。チームではなく個人のランキングでチャンピオンが決まる独特のルールで詳しくは下記サイトをご覧ください。

crossover.okinawa

 

回を重ねる毎に熱気をましていくCROSSOVERですが、今回は3位決定戦、決勝のエナジーは半端じゃなかったです。こんな至近距離でこの熱量を体感できるイベントはそうそうないでしょう。興味持たれた方は是非会場に遊びに来てください。

youtu.be

 

今回のアシスタントカメラマンは沖縄南部のイベントで活躍するアホヤ君

アホヤ やまのは (@ManohaOknw)

気になった方は声をかけてみてください(笑)

 

次回CROSSOVERは2017年5月5日。場所は同じく沖縄市ミュージックタウン音市場。よろしくどうぞ!

 

【漫画感想】めしにしましょう/食に対する追求、人生をやっていく生活

小林銅蟲先生の商業誌デビュー作「めしにしましょう」。漫画家のアシスタントが仕事場氏でメシを作って食べる様子をフィクションの名を借りて紹介する漫画です。

僕は電子書籍で買っちゃいました。2巻は絶対書店で買います→買いました。

 

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小林銅蟲先生について

 小林先生の経歴はネットの海に浸かっている人にとっては既知の事柄で、逆にネットミームに汚染されてない人にはなんの事やらでしょう。

ネットで4コマ漫画を発表しつづけその数が1000本をこえたのでドグマ出版社から本が出てます。4コマ概念に対する挑戦的な作品が多く、コラからの派生であったり、あるいは無意味なものだったりと既存の漫画好きの何かが試される作品が多数でした。

 

パチスロ漫画のアシスタントをしたり、イベントでアセクシャルの人の手術後の性器を食べたり(調理済)、ジャンルが「巨大数」である寿司漫画を発表したりとすごいことになってます。本当すごい。

 

また人気ブログ「パル」にて食に対する異常な情熱を見せて、低温調理について書かれた独特の文体が魅力です。皆さんは魅力ですか?

 

negineesan.hatenablog.com

「はい」「はいじゃないが」

銅蟲先生の漫画には漫画の構造に対するアンチテーゼがよく見られました。起承転結やストーリー性の排除。それはおそらくガロ系の影響や現代美術的な感覚、あるいは制作に対する試行錯誤から生み出されているような印象を受けます。

やがて無意味4コマを確立し、上記の4コマ「ねぎ姉さん」はネット界で解釈の可能性が以上に広いカルト的作品として広まっていきます。漫画として認識できる要素を最小限までそぎ落とした話は非常にハイコンテキストで、逆に漫画へのしっかりした構造把握ができていないと読むのが難しい作品となっております。しかし「漫画文脈からの逸脱」に挑み続けているにも関わらず現代アート然としない作風は、やはり本人の目的意識がしっかりしているからではないか、勝手ながら思っています。逸脱が目的ではなく文脈への懐疑から目指すべき漫画像を模索されているのでは、と思うのです。

 

常識への飽くなき問題提起

 

ねぎ姉さんでは1話毎にあとがき(?)がついており作者の書いたときの心象や解説が読めます。そこで感じ取れるのは定石に対する疑問、またそれを遊び感覚で自由に行うステップの軽さです。

倫理や常識のボーダーを「当たり前だから」で受け入れるのではなく、楽しい方向であれば簡単に越えていくその様は、異才であり憧れでした。今でも一番すごいと思う漫画家です。

 

上記の「性器を食べるイベント」の参加も、カニバリズムというタブーに対して経験を経る事で、文字通り糧にする。未経験で判断を下さない姿勢は「やっていく」という本人の書き文にもよく出てくる文言に表れています。

 

 

マツコの知らない世界」でも紹介

 

「めしにしましょう」1話ローストビーフは「風呂場に湯をはって肉を沈める」という斬新な方法で、番組でも紹介されてました。※結構雑な紹介のされ方でしたが…。

小林先生自身も現在、松浦だるま先生のところでアシをしており、わりと実際に作った物が漫画に登場するので漫画の補完にブログを見てみてはいかがでしょうか。

 

商業誌での連載とは思うに、文脈に沿った画風が好まれるため、先生の漫画の中でもわりとしっかりストーリー組み立てや構成など、読み手を意識したやさしい書きかたをされてるのでは、と思います。小林銅蟲先生の作品の足掛かりとして「めしにしましょう」是非読まれてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

APERUNZ、2016年ダンス動画振り返り企画

2016年APERUNZ、動画振り返り企画

ダンス関連でアップした動画を2016年でまとめてみました。

2016/01/06 フリクリ”Freecom cre8ters”teamclip

youtu.be20222016年最初の動画は沖縄から県外に出てバリバリ成績を残している「freedom creaters

」通称フリクリのチームクリップでした。2015年末に皆が帰省したタイミングで、ノープラン的に取りましたが、サクサク撮影もできて楽しかったです。

色んなブログや海外からのコメントも多くて今でもAPERUNZ.LABで一番再生数の多い動画です。ダンス動画黎明期から更新を続けている激走ぶろぐさんに取り上げられたことやWASEDAのアツキさんに観てもらえてたりと自分の中でもわりとメルクマーク的な作品になっています。

 

2016/03/09 Break of liberty Vol.7 | Recap

 

youtu.be

沖縄BBOYイベントで一番熱いと言っても過言ではないbreak of liberty 、去年は色々あってVOL.7のみrecapに参加しました。「単焦点レンズのみ」「全部MF」「ムーブ以外にもスポットを当てる」など色々実験的に撮影をしましたが、もうちょい進化の余地はある感じです。イベントは物販の増加、サブコンテンツの充実、バトルのテンションどれをとっても最高なのでまだの方一度行ってみたほうがいいです。マジで。

 

2016/04/20 Tight0×MUC | Bboy teamclip in okinawa

 

youtu.be

同じ年の友達やお世話になってる先輩のいるチームを撮影するのはまた別の緊張感があってなかなか大変な撮影でした。Aperunz2人態勢で色んなダンサーの表情をたくさん撮れたという実感。反面もう少し短い動画にするべきだったと反省もあります。あと珍しくfps60で残してます。

 

この頃第一子が誕生して、なかなか多忙になりました。ひー。

 

2016/07/28 classicjam 2016 | Recap in okinawa,japan

youtu.be

世界の第一線で活躍するbboy taisukeさんの結婚式が沖縄で開催されることから、そこで出席した世界的ダンサーがたくさんサイファーしていたパーティーのRecapです。Roxrite氏にメアド聞いたのと、lilou氏の妹さんと話したのは今でもあんまり現実感はないです。

とても楽しかったので、来年も呼ばれたいなぁとめちゃめちゃ思っています。

撮影的にはわりと炎天下で長丁場だったので、機材の熱暴走の心配や撮影可能時間の容量との戦いでしたが、当日bboy yagiさんの助けを借りて何とかなりました。あとやっぱりGHシリーズは熱暴走しないです。panasonicすごい。

 

2016年を通して CROSSOVER

www.youtube.co2016年からはCROSSOVERという沖縄ストリートバスケットリーグのダイジェストにも関わらせてもらっています。編集は1人で何とかなるのですが、撮影は皆の力を借りて助けてもらっています。いつも感謝です。

2017年も既に開幕戦が終了しており、普通のバスケリーグとはまた違った楽しみ方ができるので未見の方は是非!!

crossover.okinawa

 

2017年は挑戦の年というよりも、自分や家族を大事にしながら、知識や貯蓄を増やしていく年になっていくとは思います。ですが情報発信場所は消さずにずっと継続していきたいので、そういった形でシーンに関われたらな、と思います。

会場で見かけたら気軽に声かけてやってください。よろしくお願いします。