APERUNZ NOTE

aperunz.labの備忘録。ビデオ撮影のこと、漫画のこと。

【漫画感想】「BLUE GIANT」にみる音楽漫画の感情表現、あと好きを追いかける美しさ

「BLUE GIANT」1~7巻読みました。作者は前作「岳」がヒットを飛ばし実写映画化もはたした石塚真一

The Sounds of BLUE GIANT

新品価格
¥1,732から
(2016/1/15 21:06時点)

 
 
 珍しいジャンルでジャズを題材にした漫画です。主人公は高校時代にライブハウスで耳にしたジャズに感動し、1人きりでサックスを始めます。「世界一のプレーヤーになる」夢に向かって純朴に素直に突き進む主人公を取り巻くドラマです。
 
 表現面としては、飾らないセリフを主体として多くを語らずに話が展開していきます。説明臭さが読者を遠ざけることがないように、かといって全くジャズの知識がなくても読み込めるように、序盤は初心者から初心者への説明の形でジャズの世界が語られていきます。また技術的な部分はレッスンの形式で分かりやすい言葉で表現されています。
 音楽的は解説の言葉を並べるよりも、プレーヤーの動きや聞き手の表情であらわされた方が伝わる、ということがわかります。それが丁寧なコマ割で進んでいくので皆さんの脳の共感野がビシビシ刺激されること間違いなしです。
 珍しく人から薦められて読んだ漫画なんですが、彼オススメの楽器屋での話は心の動かされ方が気持ちいいです。いやー上手‼
 
ストーリー的には、楽器でも何でも上達するには、練習量と愛情が必要なんだということ。再確認出来た気がします。主人公は完全な天才ではなく、ジャズに対する無償の愛があって、練習の絶対量も凄いです。主人公の成長物語として漫画語られるときにおろそかになりがちな努力している姿がきちんと伝わってきて…なんと言うか考えさせられました。
 
例えば僕はダンスをやっているんですが、最初期に持っていたダンスに対する愛情とかもう一度見直さないと、その先に成長は見込めないです。もっと練習しないとな。