【漫画感想】「ねじの人々」にみる漫画的哲学の表現
若木民喜著「ねじの人々」1巻読了。
3度のアニメ化も果たした「神のみぞ知るセカイ」の作者、若木民喜先生の哲学漫画。
主人公、根地は高校生。自身の存在に対してもやもやした疑問を感じた時から頭に「ねじ」が生えてくる。その日をさかいに彼の周りにねじを生やしたキャラが登場し、主人公との対話を通して哲学的思考を深めていく。
そんな話です。
描く登場キャラは過去の哲学的偉人をモチーフにしており、デカルト、ニーチェ、プラトンなどなど。わかりやすい哲学入門書としても、デフォルメ化した自己対話のアウトプットのモデルとしてもおすすめです。画風もシンプル、わざと藤子チックにしてあるように感じます。
個人的に好きなのは第6話目「続・客体的真理と主体的真理」。メタ的な表現で作者の哲学が語られるシ-ンは、とても良いです。
オススメ!!
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個人的には、漫画は作者の哲学を感じる部分に魅力を感じていて、他者の思想を知るツールとして愛でています。通常の対話ではそぎ落とされる脂肪分も一緒に摂取できる方法は漫画がもっととも優れていると思うのです。ねじの人々は読者に向けて偉人の哲学をかみくだいて書かれたのが大半なのですが、6話だけは作者の哲学です。最高ですね。こういう漫画もっと増えてほしいです。